こんにちは。eight鬼木です。
2/5に弊社主催の公開研修「育休復帰社員マネジメント研修」を実施いたしました。
5社9名の現場の管理者や人事の方にご参加いただきました。
そのご報告をさせていただきます。
公開研修のプログラム:
育休取得者は女性が90%、男性が3%以下という現状から、育休復帰社員を女性という前提でお話ししていきます。
①育休復帰社員のリアルを知る
②育休復帰社員へのマネジメントのポイント
③ケーススタディ
育休復帰社員3つの不安
eightが実施してきた、育休社員や、子育て両立社員へのこれまでのセミナーや研修で得た生の声をご紹介しながら、育休復帰への主な不安が3つあるということをお伝えしました。
例えば、以下のような不安声が多く出てきます。
・残業が当たり前の職場で、独身者も多く、時短を使えない気がする(不安2)
・営業や接客が好きだが両立が難しいと感じて事務になりたいと考えることもある。家事育児がいっぱいいっぱいで仕事はただこなしている状況(不安3)
・今、子育てが本当に大変なのに、これで復帰したらやっていけるのか不安。夫は何もしない(不安3)
実際、不安に思っていることのほとんどは復帰すると解消されたり、もっと違う現実の課題にぶつかったりする事が多々あります(この話は詳しくはまた今度!)。
ただ、知ってほしいのは育休復帰社員はとにかく「不安」でいっぱいという事です。
管理者はそのことを知った上で復帰前、復帰後のコミュニケーションを意識して欲しいとお話ししました。
また、女性特有の産後におけるホルモンバランスの乱れも加わって、想像以上の「不安」「恐れ」「葛藤」を抱えていることがあります。
こんな風に実例も交えて説明をすると
「面倒だ」「どうしてこんなに気を遣う必要があるのか」
と思ってしまいますが、
育休復帰前後のこの不安やしんどさを乗り越えられずに辞めていく社員が非常に多く、その他の原因も含めて5割近くの人が第一子出産後退職している事実。
育休でブランクがあるとはいえ、優秀で経験のある社員が辞めてしまうことは組織にとっても管理者ご自身にとっても、痛手となるはず。
デリケートな時期に心を寄せて、しっかり対話をして戦力化を目指して欲しい。面倒だけど、知ることで諦めずに対策して欲しいと伝えています。
優秀だった社員が育休復帰後、マミートラックに陥る理由
タイトルに書かせてもらった、優秀だった社員が育休復帰後マミートラックに陥る理由についてですが、そもそもマミートラックとはなんぞや?というところから。
◆大企業等でよくおこりがちな現象で、
高学歴で、バリバリキャリア系を目指して仕事を頑張ってきた女性達が、育児休業あけに社会復帰した際、ルーティンワークに配属されてしまい、キャリア形成をあきらめてしまう現象
◆出産した女性が、負荷の高い仕事を任されず、キャリアアップが望めない状態になること。
などと言われています。
最近では、マミートラックにいる女性社員を見て「権利ばかり主張している」「制度を利用するだけして仕事は半人前」なんて思う方も多いので、意味合いが変わってきていますね。
モチベーション高く仕事をしてきて、子どもがいても働き続けたいと復帰したけれど、やむなく母業を優先している、本来はそんな意味合いで使われてきた言葉、現象でした。
特にこれまで女性が少なかった大企業の製造業などは
「働きがい」よりも「働きやすさ」を優先しすぎた結果、制度利用ばかりをして仕事は半人前になる、という人が多くなるようです。
私も、リクルートという会社にいて育休復帰後、1年くらいして、まさにこのマミートラックに陥りました。
「もっとチャレンジしたい」→子どもが熱出して周りに迷惑かけてしまう
「リーダーとして頑張ろう」→早く帰らなくてはならず、夕方以降に振り返りなどで指導ができない
みたいな事が重なり、とりあえずこのまま続けられたらいいか、みたいな気持ちに。
私のこうした経験や、育休中の社員の声をもとに
マミートラックに陥ってしまう理由が、
「不安を一人で抱え込む本人の問題」
と
「職場、管理者のマネジメント方法」
にあるとわかりました。
「抱え込む本人の問題」については、本人(育休復帰者)むけのセミナーなどでお伝えしています。
「マネジメント方法」については
スライドにある4つのポイント「納得」「承認」「スモールステップ」「観察」を
おさえていないからだと、説明。
思い込みを捨て、その本人の状況をしっかり聴いた上で
4つのポイントを実践していただくことをご提案しました。
そして最後に育休復帰社員「佐藤さん」のケースをもとにロールプレイ。
管理者の皆さんには「佐藤さん」の気持ちになって上司の面談を受けていただきました。
ロールプレイではeightのキャリアコンサルタント3人が入りました。
佐藤さんの立場に立ってみると、チャンスと思えることでも不安が勝り、なかなか引き受けられない実情などを感じ取っていただきました。
今回の公開研修では、
◆育休者の状況、生の声
◆育休復帰前後の対応(面談シートの共有)
◆マネジメントのポイント
◆ケーススタディ
というように、多くの情報提供をいたしましたが、
1つでもいいのでぜひ現場で実践に生かしていただければと思います!
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
研修後アンケートのフリーコメント(無記名)
◆育休復帰者への考え方が変わった。
◆課題を提示した後に、解決策や解説があるので腹落ちする
◆ロープレやグループ討議でも新しい情報を得られたのがよかったです
◆人事部門だけで情報や知識を持ったままにしないで社内へ展開していく仕組みづくりをしなければならないと感じました。
◆社内勉強会、研修で全社員(特に管理者)への理解を深めたい
◆大変勉強になった。モチベーションをどのようにあげたら良いか明確になってきました
◆育休者の状態(気持ちの面)が理解できた。モチベーションが大切であることを認識した
◆LASTのケーススタディは苦手だが、あれをやらないと認識できないままだったので良かった。
◆めんどくさいがやらねばならない事がわかりました
◆時間が少なく難しいとは思いますが、もう少し実例(良い悪い)を取り入れて欲しかった