こんにちは。鬼木です。
今回ご紹介する事例は、東海圏と東京に店舗を持つアミューズメント業界の企業です。タイトルがちょっと衝撃的ですが、これはロールモデルが不在という意味と、男性は昇格ルートが明確でも女性は前例がないこともあり昇格ルートが不明確であること、2つの意味が込められています。
約1年間、毎月のように研修を実施し、取り組ませていただいた事例となります。
- 新卒採用を中心に総合職採用を行なっているが、近年女性社員比率が高くなってきた。
- しかし、6、7年目になると女性社員が退職してしまう。結婚や出産しても両立していけるイメージが持てないため、ロールモデルとなる女性社員を育てていきたい
- 制度面も整えていくが、女性社員自身のモチベーションを高めていくことが必要で、特にライフイベントと仕事の両立についてイメージを持ってもらいたい。
A社様は、若手社員がどんどん責任ある仕事を任せてもらえる会社です。ロールモデルとなる先輩女性がいない不安を払拭すると同時に、自分で道を切り開いていくモチベーションアップを目指しました。
同時に、現場の男性管理者(主に店長)も、無意識のバイアスを取り除き男女関係なく成長に寄与していただけるよう研修内容をご提案しました。
2回、3回と研修を進めていくうちに、新たな課題に直面することになります。
①仕事への意識は高いが経験不足で自信が持てない
②配属先が男女で偏りがあり、男性のように昇進昇格のイメージが持てない
という2つの課題です。
①については、後半の研修プログラムを変えることにしました。A社における解決すべき課題3つに対し、QC活動のように実践し成果を発表するというプログラムです。これまでお客様と近い位置で仕事をしてきた目線で、上流工程の仕事に携わることを意識しました。
②については規則で決まっているわけではないが、暗黙知でそうなってしまっているということでした(受付は女性みたいな、職業役割に関するバイアスです)。
ここは研修でどうにかなるというものではありません。管理者向け研修で投げかけ、対策をしてもらうことにしました。
最終回に理想の姿・なりたい自分について発表していただきました。以下12名分掲載させていただきます。
◆どのような環境下においても、楽しさ、やりがいを見出して現状満足せずに働きたい。→周囲にプラスの影響を!!
◆自分のポリシーである「仕事を選ばずに新しいことにチャレンジする」という姿勢をとり続ける。それを通して給料を上げて自分の人生の目的である「両親への恩返し?奉仕」を通して「自分の人生の充実」というところを達成させる。
◆仕事面・・・周りの方の役に立つことができる。頼りにされる。
(自分の意思を持ち周りに発信、発言をする。周りの人を巻き込んでフォローできる人材になりたい)
人生(プライベート) 自分の好きな事と仕事を両立して興味を持ち豊かにしていく
◆信頼される人財になる
何事も楽しいと感じられる人になる。ポジティブに!!
◆自分が成長していく中で相手に感謝できる人。成果を出せるようになる。周りが喜ぶことをしていきたい
◆数値に置き換え、職場にフィードバックする。バックヤードとして出来ることをしっかりやる。
◆成長に繋げるためにも自分の成長(社会人として女性として)→信頼残高を増やし、周りにも協力してもらいながら培っていく
◆自身の成長(数値把握など)は勿論であるが、部下・後輩をしっかり育成させ(スキルandマインド)会社の成長に繋げられるand活躍の場を広げることが出来るような存在になりたい
◆会社のことを正しく伝え(採用活動)、自分も体現できている状態。新卒採用は任せられるという状態。精神的に豊かに幸せに生きる
◆頼ってもらえるような人材
◆一緒に働く人たちが楽しく働くことができる環境をつくることができる、できなかったことができる。得意なことを伸ばす→自分の存在価値を見つけられる
◆自分に自信をつけるために常に全力で取組み、結果を出せる人になる。今を大切に。自分に厳しく、やりたいことをできる実力をつける。会社へも人へも良い影響を与えれる存在になる。頼られる。
以下は、彼女たちがどう意識が変化したか定点観測した調査結果です。
座談会を開き、私鬼木の子育てと仕事の両立やパートナーシップ、挫折やどう乗り越えてきたかなどの経験もお伝えしたり、社長など経営陣の方々に彼女たちが感じている不安や疑問、課題に答えていただくなど、年間を通して丁寧に取り組んできた結果が出たのではないでしょうか。
また、実践的に会社の課題に取り組んだことで、論理的思考や業績アップへの意識を持てたことも自信がついたと思います。
これからロールモデルとなるべく頑張る女性社員たちですが、目指したい管理職像(イクボス)を、今の男性管理者が見せていく必要があると思います。
以下はイクボス度チェックですが、青丸の部分「組織業績へ強くこだわる」が高い反面「自分自身も家族、趣味、社会貢献を楽しむ」というポイントが低いというギャップがあります。
傾向として女性は、自身の家族、趣味、社会貢献を楽しみたい人が多いため、今の管理職を魅力と思えないという課題もあります。
風土を変えるのは至難の技ですが、1人、2人と女性管理職が増え、制度を上手に利用し周囲を頼り、部下との対話のもと良いロールモデルが生まれることを願っています。
今後、同業界にとってもロールモデルとなる企業になっていただけるよう次年度以降のご提案もしていきます。
このように、単発の研修ではなくPDCAを回しながら実践的にスキルや意識を向上させていくようなキャリアデザイン研修も実施しております。
ご興味を持っていただきましたらぜひお問い合わせください!