「働き方改革」はつまり"労役的時間"を減らし、"価値創造時間"を増やすという改革です
こんにちは、おにきです。
2020年が明けてあっとう間に2月。
今年も残り10ヶ月になりました。早いです...
さて、昭和の名残が強く残る製造業の多いここ愛知県でも「働き方改革」が強く推し進められています。
働き方改革の1番の目的は従業員満足度の向上だったが...
デロイトトーマツ社の調べによると、働き方改革を推進した企業は9割にも及ぶがその効果を実感するのは半数にとどまるという結果があったようです。
具体的に何を推進したかと言えば「長時間労働の是正」が最も多く、その目的の一番は「従業員満足度の向上」「多様な人材の確保(D&I推進)」でした。
ただし、効果としては「コンプライアンス対応」や「デジタル化」といったハード面でしか出ていないこともわかりました。
働き方改革の長時間労働の是正とは一体何のためなのか?
長時間労働の是正を多くの企業が真剣に取り組んできたものの、従業員満足度の向上や多様な人材の維持獲得への効果は期待ほど出ず、不充分です。
おそらくこのまま長時間労働の是正が進んでも満足度は上がらないのではないかと予測しています。
なぜなら、これまでの労働時間の考え方は労役的であり、労役に対して対価(給料)を得るという考え方。
労働時間減少
→所得減少もしくは上昇なし
→可処分時間が生まれるも活用できず(できない人が多い)
→満足度減少、もしくは上昇なし
という構図だったのではないでしょうか。
労役的時間が増えるほど、そのストレスを解消する時間が必要になっていきますが、ストレスを解消する時間もお金も余裕もないのでストレスが溜まる一方。
悪循環が起きているようです。
では、本来の目的であった、長時間労働是正=従業員満足度を高めるにはどうしたら良いのか。
それを紐解くには、経営者も従業員も「長時間労働是正=労役的時間の減少」であり、労役的時間が減少しても価値創造時間が増えるため、所得は上がっていく、と認識することが重要です。
価値創造時間をどれだけ多く持てるかで人生が豊かになっていく
ホワイトカラーエグゼンプション(高度プロフェッショナル)制度の導入が検討されていますが、やはり、その対象者である開発者やアナリスト、コンサルタントも、全ての労働時間が価値創造時間にはなっていないようです。
それは会社員で営業をしていた自分の経験と、今技術者である夫や周囲のホワイトカラーの友人知人をみてもそう実感します。
・プロジェクトの中間報告会議に出席してしなくてはならない
・後輩の指導にあたらなくてはならない
・会社のシステムが変わったので対応しなくてはならない
・報告書を会社のフォーマットに沿って作成しなくてはならない
・クレーム処理をしなくてはならない
など、組織の人間であればこうした仕事が発生していきます。
その人ならではの能力が必要でない仕事が相変わらず多い状況では、ホワイトカラー・エグゼンプションは本来の機能を果たしません。
優秀な人ほど組織の中で重要な責任のある役割を与えられるでしょうから、ますますやらされ感いっぱいの「労役的」時間が増えていき、その上に価値創造時間を確保しようすればそのままアドオンされ、超長時間労働となるわけです。
これでは、高度プロフェッショナルとしてキャリアを築く前に潰れてしまいます。
豊かなキャリアを築くためには、例えば1日8時間という労働時間の中でどれだけの時間を価値創造時間にできるか、が課題です。
働き方改革は、価値創造時間をいかに増やすかを考える機会です。前向きに受け取りましょう
仕事の量が変わらないのに残業するなと言われ、困惑している方も多いと思います。生産性を上げろと言われてもこれ以上は無理...と思う方も多いでしょう。
しかし、残業規制や有給取得義務により無理やり生まれた可処分時間は、人生100年時代のキャリアを考える際に非常に有効な時間となります。
この機会に、自身の仕事の中身を見直し、労役と思っていることが価値創造につながっているのではないか、労役的時間を減らしてその分価値創造時間に変換できないか、など向き合ってみてはいかがでしょうか。
価値創造時間を意識するために「キャリアモデル」をつくってみませんか
とは言え、向き合うというのを自分1人で行うのは難しいものです。また、何かフレームがあり可視化できると考えやすいかもしれません。
そこで、eightで昨年開設した「キャリアモデル開発センター豊田」で、自身のキャリアモデルをつくってみませんか。下図のように自分の人生のビジネスモデルをつくっていくというコンセプトです。
本業の労役的労働時間が減少し、無理やりでも、せっかく生まれた可処分時間を、副業や地域活動、趣味や学習に使うことでまた本業へ還元できると考えていくことができます。
つまり、本業の労役的労働時間を価値創造時間に変換する目的で、それぞれのキャリアパーツ(キャリアの部品)同士の相乗効果を高めていくわけです。
例えば、この図は
A製造業生産技術職
⇅
B環境系NPO団体プロボノ
⇅
C子ども会役員
という3つのキャリアパーツを持つ人のキャリアモデル です。
相乗効果(シナジー)を黄色い●のところに記載しています。
これまで労役的業務も多く本業に時間を割かれていた人が、働き方改革により可処分時間を手に入れたため、プロボノや地域活動に時間を費やすことにしたとします。(趣味やレジャーでももちろんいいです)
普通は、新たな活動を始めても、本業に還元していくという考え方はなかなか出てきません。
本業のストレスを、趣味に。
本業で生かしきれない能力を、ボランティアやプロボノに。
本業で評価されない虚しさを、育児で解消。
という他方に拡散していく考え方になりがちですが、このキャリアモデルの考え方 は、そうではありません。
自身の好きや興味が持てる新たな活動をすることで、本業に還元される、双方向にシナジーを高めていく考え方です。
新しい活動が、本業に還元され、価値創造時間を増やしていくことを可能にしていきます。
付加価値を生み出す価値創造時間に変換していくにあたっては、こうしたキャリアモデルをつくっていくことで、自身が使うべき時間、手足、頭脳、情熱をどう再配分していくか、考えることができます。
キャリアモデル開発センター豊田第2期、募集スタートしました。
と、いうことで最後は宣伝です。働き方改革を良い機会と捉え今から定年後収入を安定的に生み出すための準備をしていきませんか。ぜひお問い合わせください。
- カテゴリー
- キャリアに関するコラム