レポート「モノづくり企業における女性活躍推進勉強会」

モノづくり企業における女性活躍推進勉強会

・女性社員の定着率を上げたい

・女性活躍推進を継続させる仕組み

・男性社員の偏見がまだまだ残る風土

個々の能力意欲が業績に直結しやすい中小企業にとって女性活躍は必要不可欠な課題である。2020年には100人以上300人以下の企業にも女性の登用計画目標を盛り込む行動計画を義務づける方針を政府が打ち出していた。今回の勉強会では、10年前からダイバーシティに取組み、女性活躍の土台を築いてきた春日井製菓()、女性活躍への取組みを本格的に開始して3年目の()FTSをお招きして、これまでの取組と成果、課題や今後の展望などの事例を共有し、参加者とディスカッションを実施した。

開催レポート

春日井製菓株式会社(以下敬称略)、株式会社FTS(以下敬称略)、自動車部品製造会社、生産関連機械設備製造会社、建築関連会社、行政の経営者・管理者・人事担当者・女性活躍推進担当者など合計9名が参加。

はじめに、春日井製菓株式会社がこれまで取り組んできた女性活躍推進の取組みと女性管理職比率30%を目指した取組みを紹介。同社は、女性社員比率4割、総務・営業・開発・生産など様々な部署で女性が活躍している。松下様はご自身も子を持つ母親という立場から、10年前よりダイバーシティに取組み、女性活躍の土台を中心となって築いてきた。

秘書グループという立場を生かし社員と経営者・管理職とのパイプ役を自主的に引き受けているという松下さん。制度設計や制度導入に留まらず、制度を利用しやすい風土づくり、管理者へ意識改革の働きかけを丁寧に行ってきた。ヒアリング調査を何度も繰り返しつつ、経営者の心の動きや 会社の戦略に合わせ、虎視眈々と”時”を待ち、タイミングを計りながら進めてきた。制度利用を促進、定着させるには、周囲の理解必要不可欠。周囲の上司や同僚にも丁寧なコミュニケーションを繰り返し社内への周知と制度利用促進を進めていった。

続いて、株式会社FTSがこれまで取り組んできた女性活躍推進の取組みを紹介。同社は、女性社員比率1割弱と非常に少ない割合だが間接部門を中心に設計や生産などの部署でも女性が活躍しはじめている。2016年、女性活躍推進法の施行をきっかけに社長の意向を受けてプロジェクトを発足。社内アンケートによる現状把握から課題を抽出。その後は意識改革・職場改革の取組みを実施してきた。

部署横断型、男女・職位など様々なメンバーで構成されたプロジェクトチーム。トップダウンではなく、ボトムアップで各職場やそれぞれの立場で課題となっていることを共通認識し、改革に向けて取り組んできた。取り組むにあたっての苦悩なども生の声を聞くことができた。

質疑応答・ディスカッションより

春日井製菓()】

・育児休暇の取得への具体的に取組みは、男性社員やその上司に育児休暇の取得を促すように担当者からのフォローを丁寧にしている。社内報では子供が生まれた家庭の紹介もしている。また、取得した場合は本人だけでなく上司にもお礼のフォローをしている。育児休暇は、その家庭で必要な時期に取得してもらっている。

・男性は管理職だけでなく、一般社員も含めバイアスがある人がまだまだいる。部長クラスは理解を示していることが多いが、実務ベースの管理者(課長職)は、辛いという意見もある。

・東京支店の営業部でフレックス制度を試験的に導入している。両立社員が勤務地限定を選べるようにすなどの取り組みもスタート。他の社員と給与で差をつけたり、フォローアップする社員の負担もヒアリング分析をしながら制度改革・導入の実現へ向け取組んでいる。

・働き方改革プロジェクトなど、チームも様々立ち上がっている。プロジェクト活動がきちんと評価に反映されるよう評価制度内の個人目標設定に組み込んでいる。

・ここ2年、外国人研修生を受け入れることによって、生産現場で両立社員の補完ができている。地道に良いと思うことはどんどんトライ&エラーで進めていくことが大事

(株)FTS】

・プロジェクトを立ち上げて1年は何をすれば良いかわからず、メンバーの考えや熱量もバラバラ。事務局との連携もうまくいかず全く成果を出せないまま焦燥感が蓄積された。「何をやっているの」と聞かれても答えられないジレンマもあった。2年目になりチームの危機感が行動を促す。メンバー同士が能動的に課題や目指す姿を共有。「存在承認と率先垂範」というテーマを掲げることができ、動き出せている。

・自身の評価に結びつかなくても女性活躍推進を継続したいと思うのは、自分のためでなく、後に続く次世代の社員のためという思いが強くなってきた。会社存続のために必要不可欠だと思う。

・取組みの成果を数値化したいのが製造業の性だが、困難でありジレンマとなっている。男性が9割以上を占める同社では、性別による仕事付与のバイアスが根強くあり、男性社員への意識改革も重要な課題。また、プロジェクトでの活動が評価に反映されるよう、上司と部下との組み合わせでプロジェクトメンバーを構成した。

・女性はお茶を出す、会議には出ないのが当たり前の風土だったが少しずつ変化の兆しはある。女性の役職者も出てきていて、その女性管理者が女性部下を連れて会議に出るようになった。女性管理者が増えるメリットは大きい。

ものづくり企業における女性活躍推進の成果とはー参加企業の意見ー

・中小企業は理系男性の採用は非常に困難。・会社の存続のためにも女性活躍推進は必須。女性の採用と育成が叶

 えば成果といえるのではないか。

・多様性の第一歩で、柔軟な発想力、イノベーションにもつながること。

・隠れ介護の男性社員も多い。女性活躍が進むことで男性も働き続けられる組織になること。

その他

・松下さんのような経営者と現場の翻訳者がいることが大きい。経営側ももっと伝える努力が必要と感じた。

・女性はどうしても間接部門に多くなってしまうが、製造現場に女性が進出することで、より作業が楽で危険の少ない設備投資のきっかけにもなるので男性にもありがたいはずだ。

【フリーコメント】

・他社様の事例はとても参考になりました
・悩みを共有できたのも良かったです
・活発な意見交換ができ、持ち帰られるネタ・ヒントを多く得られた
・ざっくばらん(本音)に話ができる雰囲気がとてもよかった
・他企業の取り組みが聞けて大変参考になりました
・具体的な話を聞くことができました
・他社の事例を聞け、話しやすい雰囲気で様々な話が聞けて良かった
・違う立場の視点で学びがありました
・春日井製菓様の松下さんパワーに影響を受けるところ大。チームにも波及していると感じます
・色々な視点から女性活躍は不可逆であると痛感しました
・えるぼし認証取得などの意義も理解できたため、認証に向けて取り組んでいきたい

女性社員マネジメント研修の料金

人数料金
女性社員マネジメント研修 20名まで3Hコース 24万円(税抜)
5Hコース 40万円(税抜)

女性社員マネジメント研修内容は、それぞれの企業様に合わせてご提案させていただきます。まずはお気軽にお問合せください。