こんにちは。株式会社eight鬼木です。
2017年度から育休復帰者向けセミナーなどでお付き合いさせていただいている
岡崎市役所様で、今年度は新たに園長先生向けのマネジメント研修を実施させていただきました。

以下、事例を共有させていただきます。

岡崎市役所 園長先生向け研修 事例

課題:

  • 岡崎市役所では保育士の離職率の高さが年々課題感が強くなっていた。
  • 同時に新規採用活動での応募者数も年々減ってきている。
  • 待機児童解消のためにも離職率を減らし、定着率を上げていかなくてはならない。
  • 特に、結婚や出産、あるいは育児休業明けでの退職者が目立つため、昨年度から保育士向けにも育休復帰前セミナーを実施し、対策をしてきた。
  • しかしながら、いざ復帰をすれば、独身時代のような働き方を求められたり、時短勤務利用や早出残業ができないことによる罪悪感が増すなど現場での受け入れ態勢も重要であることがわかってきた。
  • 保育課内に企画課が新設されたタイミングも重なり園長先生向けにイクボスセミナーを初開催することに。保育課と人事課が連携し企画が実現した。

実施内容:

対象者市内保育所 園長先生

日 時20181114日(14:00-17:00) 三時間

参加数:13人

講 師:株式会社eight 鬼木利恵(代表取締役・キャリアコンサルタント)

内 容2017年度に株式会社eightが実施した愛知県内の保育士調査を活用しリアリティある情報を
    データと生の声で提供。

    保育士を取り巻く環境を、国、愛知県のデータも用いて伝えながら実際に現場で起きている
    事象と照らし合わせ、課題を抽出し向き合いながら理想の状態を共有。

    育休復帰者や育児両立保育士の心理状態、おかれている状況の共有も踏まえつつ、固定概念を
    払拭し、個々に状況が違うためコミュニケーションをとることが大切であることを伝えました。

研修評価:アンケート結果

Ⅰ.研修全体の総合評価

◆理解度 100%

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・とても分かりやすくまた、グループで話し合う事が取り入れられていたので良かった
・具体的な内容だった
現状の変化はとても難しいが、違った側面から考える機会となった
・具体的な話でよく理解できた
・現状を数値化して示してもらえ、理解しやすく、又改善の為の具体的なアドバイスが心に残りました。実践していきます。
・園対象としての内容で考えてくださってあり、分かりやすかったです。

◆お役立ち度 92% 

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・明日から取り組んでみようと思えました
・改めて自分の行動等を見直せた
・職員が働きやすい環境を作ることの必要性を改めて感じた
・自分の周りにいる職場の人たちに楽しい又働きやすい職場だと感じてもらえるための自分の役割というかできることを考える良い機会となりました!
・職員の様子を少しでも観て、寄り添っていけるようにする考え方を少し変えてみる機会となりました
・参加者と意見交換も有意義な時間でした
・とても役立つものでしたので公立園全園の園長が参加できるとよいと思います。

◆講師満足度 100%

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・具体的に分かりやすく、ソフトな話し方で良かったです
・とてもよく分かるお話で今自分のできることは何かを考えられ学びになりました!
・女性目線のお話で私たちの気持ちを代弁して下さり心が安らぎました
・自分たちの悩みを聞いてもらい、そこからのお話や考え方等を知りたいです

Ⅱ.この研修を受けて、実際にどのような行動を起こしていきますか

・一人一人の職員の適性をよく観察し、一人一人に合った関わりと平等にしていく。
・とにかく職員一人一人に声掛けし、対話を持つようにする。
・自分自身の意識の仕方により、変わることで「対話」と「観察」に気を付けてみたい
・職場の雰囲気を常によくするために対話を大切にしていき、保育士が楽しいと思えるようにしたい。
・全職員に必ず1回は毎日話しかけるようにし、チームワークよく仕事ができるようにしていきたい。
まずは周囲の職員をよく観察し、承認して関係を作っていくことを大切にしようと思います。
・まずは対話を重視していくようにする。その人をよく観ていけるようにする。
・職員との対話、時間はない中、工夫はしていきたい
・毎日、忙しいが少し立ち止まる時間を持ち、対話を意識していきたい。
・職員ひとりひとりをしっかり観察し、声をかけ、具体的に認めていく
・職員ひとりひとりの観察をもっとよくしていき、自分から声をかけて「あなたのことを気にしている」という気持ちを表現していきたい
・対話を持つこと。個別の頑張りを認めていく
・改善、承認、納得、スモールステップを行動指針として心に留め努めていきます
・園ひとりひとりの職員を大切にしている気持ちを常に伝えていきたい。情報をできるだけオープンにして公平性を保つ。
・職員の皆さんの思いを理解できるよう積極的にコミュニケーションを取ります

次の打ち手2019年度は全園の園長先生へ実施予定。保育課、人事課がタッグを組んで、業務改善、マネジメントのあり方を見直していく取り組みに着手していく。

講師所感研修前は、園長先生は昔ながらのやり方(手作りの掲示物、手書きの報告書を推奨)での保育園運営を大事にしているのではないか、という想像をしていましたが逆でした。出来るだけ子ども達と接する時間を多くとるため、効率化や外注などの方法を模索したいという意見が多数出ました。また、保育士とのコミュニケーションを大事にすべきだという気づきを多くの園長先生が得ていました。園長先生自身も、定着率アップ、人材育成に悩み、運営方針をどうとるべきか課題を感じていました。このことからも、園長先生向けのマネジメント研修は、保育園を取り巻く環境や時代の変化なども踏まえた内容で実施していく必要があると強く感じています。

愛知県は、保育士報酬は他県と比べて高い水準でありながら、勤続年数は他県と比べて低いというデータが出ています。
待遇や報酬の引き上げだけでなく、職場環境を改善していくための施策が重要であること、他市町村へ提案していきたいです。